3月10日(徳山→下関)
07:59 走行開始
08:09 徳山市
新南陽市
10:36 防府市
12:13 小郡町
12:35 山口市
13:50 宇部市
14:25 楠町
15:24 山陽町
19:03 下関市
今日は本州最西端の下関までの約100kmのコースを走る。地図を見るからに、前途多難になりそうなコースである。小さな峠が多々ある上、バイパスの連続である。バイパスというのは、徹底して走りやすいか、徹底して走りにくいかのどちらか。昨日通った岡山バイパスなどが、走りにくいの代表。ちなみに富士由比バイパスは論外と言う。
ホテルの朝食を食べる。今まで出る時刻が遅くなるのを嫌って、ホテルの朝食は断ることが多かった。しかし今日はわずか100kmしか走らないこと、今までの経験を見ても、朝食を頼まないと寝坊して、逆に出る時刻が遅くなること、そしてコンビニ食だとだらだら食べて、結局食費がかかることから、逆にホテル食を選んだのである。
テレビでは関門海峡の水先案内人の話をやっていた。未だに関門海峡では、通行する船に水先案内人の乗船を義務づけているらしい。その是非を巡っての番組だった。
走行開始。昨日の徳山バイパスに戻る。新南陽市を抜け、最初の峠、椿峠を越える。箱根、鈴鹿を超えてきた今では、ちょっとした坂以外のなんでもない。
防府市に入ったところのコンビニで休憩。同じくコンビニで休憩していた、名古屋へ原付で向かうという人と話をする。春から夏にかけての一級国道沿いのコンビニは、自転車・原付旅行者の休息所となる。彼は福岡から夜通し走って来たらしい。宿に泊まらず寝袋を持って走っているのだが、ひたすら寒い寒いと言っている。風邪でもひいたのでは?私はその点、宿に泊まりながらなので楽だ。冷たいコーヒーを飲む私に、
「よく冷たいの飲めるね。」
と言うが、峠を越えてきた私にとっては、冷たいものでも飲んで体を冷却しないと大変である。確かに原付は走れば走るほど寒くなる。
防府バイパスへ入る。路肩が広く、いわゆる楽な方のバイパスであった。防府高速とでも呼びたいくらい。
県庁所在地の山口市に入る。雨が降ってきた。出る前に見た週間天気予報では、今回の行程中雨は降らないはずであったが、昨日は雪、今日は雨と、連続で外れている。
山口市から小郡市へ。小郡バイパスは、最近完成したばかりらしく、舗装が平らで走りやすい。…と思っていたら、自転車は側道に下ろされる。磐田バイパスタイプの、自動車高架、自転車歩行者下の道路である。このタイプは走りにくい部類に入る。国土交通省も自動車だと真面目に標識をつけたりするが、自転車相手だと馬鹿にする。この小郡バイパスも、途中工事中と書かれて道が塞がれているのに工事のオッサンの姿は無く迂回路の案内も無かったり、側道がくねくね曲がっていてどっちへ行けば下関方面へ行けるのか、なんの案内も無かったりする。
途中のコンビニの公衆電話から宿を予約。今日泊まるのはビジネスホテル下関である。
山陽町内でついに九州が見えてくる。本州最西端に来たことを実感。
下関市に入る。最後のバイパス、小月バイパスに進入。激しい横風で徐行運転とする。まっすぐ走るのが辛いほどの強い横風で辛い。
国道2号と国道9号の分岐点に着く。ここから国道9号は下関市街地へ、国道2号は関門トンネルの入り口へ向かう。ところが、案内板は自転車での北九州方面へは国道9号方面へ行くように指示している。大阪の梅田新道以来、国道2号をずっと走ってきた。あと北九州市までのわずかな区間を走れば全線走破である。しかし自転車で行けないとなれば仕方がない。
海沿いの9号を走る。左手には下関海峡が見え、船が行き交っている。その密度を見れば水先案内人が必要なのは分かる。壇ノ浦古戦場跡などを通る。標識などに日本語とともに韓国語が書いてある。
関門人道トンネルの入り口に着く。今日は下関泊なので、実際トンネルを通るのは明日だが、一応下見しておく。入り口にいる警備会社の人に、ハイウェイカードが使えるかを確認。答えはNoであった。通行料は入り口の賽銭箱みたいな箱に自主的に入れるだけ。記録が残らないのが残念である。この辺りで日は暮れた。ぎりぎり日没には間に合わなかった。
下関市街地に行く。今日泊まるホテルはすぐ分かった。駅から遠く古い分安い。私にとっては嬉しい。
宿に荷物を置いて市街地に繰り出す。国道9号650km地点で記念撮影。別に国道9号を走ってきたわけではないが、京都で国道1号と分岐して以来、ここまで延々650kmつながっているのである。次に下関駅へ。特にやることがない。
次に彦島へ行ってみようと思う。途中で下関運転所を見つける。EF59がいたので撮影を試みるが暗くて失敗。
彦島は遠いということを理解し、あきらめて漁港のあたりでおいしいものを食べようということにする。握り寿司を食べる。安くてうまいのが嬉しい。同じ店で鯨も売っていたが、最低1000円もする。店の人に、
「安いのないですか?」
と聞く。しかし無いという。私の感覚では鯨は給食にも出るくらいの庶民的食材だったのだが、
「お客さん、昔と比べちゃいけません。」
と言われてしまった。知らないうちに鯨は高級食材になってしまった。
しかし目の前で鯨が売っているのにこのまま食べずに見過ごすのは残念なので買って帰ることにする。しかし自転車で持っていくわけには行かないので浦栃邸に送ることにする。クール宅急便にわずかに買えた鯨の肉を入れて送ろうとすると、箱がガラガラになってしまう。仕方がないので隙間詰めにフグの唐揚げを買う。…思いっきり間違っている。
ホテルに戻る。フロントでおばちゃんとだべる。なんでもここは下関で最初のビジネスホテルだそうで、そのおかげでビジネスホテル下関というそのものずばりの名前が取れたとのこと。今ではもう古くなってしまったが、そのおかげで安く泊まれる。自転車旅行の話などをしていると、みかんを貰ってしまった。部屋に帰って食べる。
明日はいよいよ九州上陸である。
<写真>
大阪梅田新道から444キロ地点にて
椿峠の分水嶺
大阪梅田新道から450キロ地点にて
防府バイパス終点近くにある465+1.6キロポスト
大阪梅田新道から500キロ地点にて1
大阪梅田新道から500キロ地点にて2
山陽町内より九州を見る。
国道9号より関門橋を見る。
国道9号より九州を見る。
壇ノ浦古戦場
国道9号京都堀川五条から650キロ地点にて
国道9号終点にて