終わりを考える

   115系

<解説>
 近郊形電車の代表形式113系に抑速ブレーキを付けた勾配用近郊形電車。1962年に登場し、1983年まで製造された。基本的には両開き3扉、セミクロスシートであるが、1982年、1983年に製造された3000番台は両開き2扉、転換クロスシートである。またJR東日本にはロングシートに改造された仲間もある。[資料映像]

<現状>
 現配置区は上沼垂・長岡・新前橋・小山・豊田・松本・長野・静岡・網干・福知山・岡山・広島・下関である。もっとも新しいのは広島の3000番台である。また岡山・広島には117系のモハユニットを改造した3500番台もあるが、これは1979年、1980年製である。JR西日本も103系・113系のようなスーパー更新は行っていない。あと第三セクターであるしなの鉄道にもちゃんと国鉄115系が在籍している。

<予想>
 最後まで残るのは・・・分かりません。全く予想が付かないわけではありませんが、分かりません。意外や意外、出雲あたりに転属して、そこが最後の地になったりして。
 まったく予想が付きませんでは、このコーナー失格なので、消去出来るところまで消去していくことにしましょう。
 まず115系最北端のJR東日本新潟地区である。上沼垂(弥彦線・越後線)は走行距離は短いし、E127系に置き換えても問題ない。が、弥彦線の末端区間が未だにスタフ閉塞を使っているのでも分かるように、JRとしてあまり力を入れていない区間である。すぐにE127に置き換わりそうでもあり、最後の最後まで残りそうでもある大穴である。続いて長岡(信越本線・上越線・白新線・越後線・弥彦線)、信越本線の妙高高原、上越線の水上以北をカバーし、弥彦線末端区間以外の新潟地区直流電化区間すべてをカバーしている。4両編成は新潟近郊のみの運用であり、新潟支社としても真っ先に近郊形の新車を入れたい運用だろう。2両、3両の運用は広域運用が多く、E127では非難ごうごうになるはず。701系のようにそれを押し切ってE127を入れるかもしれないが、特に置き換えねばならない理由もないし、新潟支社としても広域運用のため置き換えてもあまり効果は薄く、まあ当分残るだろう。これも最後の115系になり得る。結局、新潟地区で次に置き換わりそうなのは長岡4両運用という結論しか出なかった。
 次はJR東日本北関東、新前橋(東北本線・高崎線・上越線・両毛線・吾妻線・信越本線)は真っ先に消える115系だろう。209系950番台の行き先表示にこの115系区間の表示がある(「大前」など)ことからして、209系のワイドボディー車かそれに近い車両に置き換わるのだろう。置き換えによって余った115系は小山に転属するはずだが、今のJR東日本の政策だと300番台は廃車になりそうだ。一方小山(東北本線・高崎線・上越線・両毛線)は新前橋から転入の115系でまだまだ行きそうだ。「上尾騒動」の影響か、北関東の新車は高崎線優先で入ることが多いので、115系が消えるのは当分先になりそうだ。引退のストーリーとしては、113系1000番台の転入でまず0番台が引退。300番台、1000番台も4両編成が多くなるだろう。次の大規模引退は新前橋に新車が入ったとき。流れ込んだ115系や211系で、300番台や113系1000番台が犠牲になる。一部は豊田転属か?115系が完全に引退するときには小山にも新車が入るときである。数が多いだけにかなり遅くまで残るだろうが、さすがに首都圏のドル箱路線だけに、最後の115系にはなれそうにもない。
 次はJR東日本甲信地方。豊田(中央本線・篠ノ井線)は古い車両が多いが手が付いていない。中央線の快速区間に新車が入れば短距離運用は201系への置き換えられるだろうが、その他は全く動きがない。どうなるのだろうか?E127のような安っぽい車両が入らなければいいが。松本(中央本線・篠ノ井線・大糸線)・長野総合(信越本線・篠ノ井線・しなの鉄道)の115系は比較的新しい。E127系の投入が始まっているが、豊田に転属することはあっても、まだ廃車にはならないだろう。豊田・松本・長野総合とも、本格的置き換えの兆しは見えないが、数はそんなに多くなく、最後まで残りそうにない115系である。
 しなの鉄道115系、大穴中の大穴である。運用は軽井沢〜長野のみ。だが数は少ないし、第三セクターだけに会社のイメージは大切で、ボロボロになってまで使うことはないだろう。JR東日本よりは長持ちさせるだろうが、JR東海あたりが211系を売りに出せば素早く買って廃車にするに違いない。
 次はJR東海、静岡(御殿場線・飯田線・中央線・篠ノ井線・身延線)のみの配置であるが、静岡駅に営業列車で来ることはない。飯田線・中央線・篠ノ井線運用は豊橋に、御殿場線運用は沼津、身延線運用は富士に常駐していると思われる。身延線運用には81年製造の2000番台車が入っているので、比較的新しい。予想としては、313系導入により、211系が静岡地区にシフトしてきてまず御殿場線運用が211系になって廃止。名古屋地区の313系増備が終わり、静岡地区に入り出した時点で今度は身延線運用が置き換えられ、2000番台は飯田線運用になるだろう。飯田線運用は115系は2000番台に置き換わるものの、JR東日本区間が多いため、東海としても積極的に置き換えはしないと思われるので、JR東海115系の最後の最後が、この飯田線運用115系となるだろう。全国最後になるかは評価△くらい。
 近畿地方では網干(東海道本線・山陽本線・赤穂線)・福知山(福知山線・山陰本線)。いずれも113系と同居しての存在である。どう見ても113系が足りないからしかたなく入った感じ。国鉄時代なら東から113系が転属してきて埋めただろう。網干はスーパー113系、221系、223系と、代替車は揃っているので早期に撤退するだろう。ただ110km/h対応車なので、廃車にはならず広島あたりに転属か?福知山もわずか7両。223系の増備で221系が福知山線に入るようになれば押し出されるように広島あたりへ転属だろう。近畿地方の115系はあと1年程度で消えると思われる。
 最後にJR西日本山陽地区である。岡山(山陽本線・伯備線・赤穂線・宇野線)、広島(山陽本線・呉線)、下関(山陽本線・呉線)、どれも最後まで残ってもおかしくない。223系の増備により、221系→117系という玉突転配が起こるはず。さらに117系が山陽地区に進出するのは間違いない。代わって115系初期車が消える。その後はどうなるか?京阪神への223系導入が一段落すれば、山陽地区に新車、というのは充分に考えられる。これにより115系は激減するだろう。最後まで残るのはおそらく3000番台だろうがそれはどこか?本線系統は優先的に新車を導入するだろう。すると岡山の伯備線・赤穂線運用か?転換クロスシートを生かして、広島近郊に本格的な快速が登場して、これに充当か?または下関のロングラン運用か?はたまた出雲に転属して、米子〜出雲市にネットダイヤを組むのか?はたまた新車の投入なんて無く、115系もスーパー更新して予想を狂わせてくれるのか?四区のうちどこになるかは分からないが、西日本山陽地区の115系は、最後まで残る本命である。
 山陽か、新潟か、中央線か、しなの鉄道か、はたまた元旧形電車王国飯田線か?全国津々浦々の直流電化区間で見られる車両なだけに、消去法でいくつか消せても、絞りきれないのが115系だ。


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