2001/5/21, v7.03
mikaka.org/
掲示版

第1章 地域系の巻

 地域系電話会社とは、特定の地域に通信のインフラを持つ企業を指す。その規模も、首都圏全域などの比較的広い範囲をカバーしている企業(TTNet)から、市レベルの狭い範囲でサービスを提供しているCATV系、NTT分割に伴い新たに加わったNTT東日本/西日本まで、様々である。

1-1 料金
 ☆加入料金
 ☆基本料金(/月)
 ☆通話料金
 1-1-1 分析
1-2 割引サービス
1-3 NTT東西のその他サービス
 ☆マイライン
 ほか
1-4 各社プロフィール
1-5 問い合わせ先

1-1 料金

料金データは変更が激しく、みかかの鉄人の更新が間に合わない場合がよくあります。他のサイト、例えばyudaiさんhttp://i.am/yudai/などを参考にして下さい。また、Howfarの料金データの方は、みか鉄よりマメに更新されています。

☆加入料金(一般加入(アナログ)、INS64(同・ライト))


NTT東西:
 施設設置負担金 − 72000円(INSネット64・ライトは0円)
 手数料 −−−−−  800円
 工事費 −−−−−  8300円〜

東京電話・九州電話:    0円

☆基本料金(/月)(一般加入(アナログ)、INS64(同・ライト))


NTT東西:

 一般加入:
  住宅用 事務用       市内加入者
  1750円 2600円  3級局    40万人以上
  1600円 2450円  2級局   〜40万人
  1450円 2300円  1級局   〜 5万人
   950円 1450円  旧2級局   1000人以下
   750円 1150円  旧1級局 (現在は該当なし)
 (   390円  プッシュ回線使用料(オプション)    )

 INSネット64(2回線分):
  住宅用 事務用
  2830円 3630円  INSネット64
  3470円 4270円  INSネット64・ライト
 (    INSネット64は最初からプッシュ回線       )

 *旧2級局: 1級局の中でも特に加入者が少ないので、昔の料金のまま据え置いた地域

東京電話・九州電話:    0円

☆一般加入(アナログ)、INS64(同・ライト)同士の通話料金

  | 国際電話料金は: 国際系電話会社の巻
  | 携帯/PHSへの料金、携帯/PHSからの料金は: 携帯電話の巻PHSの巻
  | 発信者課金ポケベルの料金は: 無線呼出の巻
  -------

[2001/5/1より]
NTT東西 東京電話 九州電話
県内 平昼休夕深夜 平昼休夕深夜 平昼休夕深夜
市内 180180240/8.5 180180240/8.4 180180240/8.4
-20km 9090120/10 9090120/6 *1 9090120/9
-30km 9090120 9090120/9
-60km 607590
60km- 456090 606090
県外 (NTT Com)
-20km 9090120/10 9090120/7 *1 9090120/9
-30km 606075 909090/9
-60km 456075 606090 606090/10
-100km 304560 454560 364560
100km- 22.52645 303045 263045
* 数字は、課金単位ごとに話せる秒数
* /(スラッシュ)の後の数字は、課金単位。例: /10 … 課金単位が10円ということ
* NTT東西では県外通話はできないが、比較のため、NTT東西の県外部分には NTT Com を載せた。
*1 課金単位が6円または7円になるのは、90秒(深夜は120秒)を越える通話の時。90秒を越えない場合は、通常の東京電話の通り、9円。

1-1-1 分析

 市外局番が03、06の2桁の地域はもちろん3級局。政令指定都市(人口約100万人以上)になると市外局番が3桁になるようなので、045と言った市外局番が3桁の地域も3級局。0798と言った4桁は3級局か2級局。だいたいそうなっているようである。

 住宅用は個人名で契約し住まいで使用のとき、事務用はそれ以外や電話帳に個人名以外で掲載するときに適用される。どちらになるかの認定は、NTTが行う。この文書は個人向けに書いているので、本文は基本的に住宅用を前提に書いているのでご了解願いたい。サービス中、住宅用と書かれているものは住宅用専用、事務用と書いているものは事務用専用である。書いていないものは兼用のはずである。サービスによっては基本料が違うので注意。

 INS64/INS64・ライトは1加入で2回線分使える。通話モードとディジタルモードがあり、通話モードの料金はアナログ回線と全く同じ。ディジタルモードも基本的に同じだが、離島特例が適用されない。NTTの各種サービスは注記がない限りアナログ専用。サービス名にINSと入っているものはINS64/INS64・ライト専用。新電電などは、アナログ・INSで料金に差はない。

 また、TTNetは直加入者線サービスというのも提供している。ただし、直接自宅に回線を敷設しなければならない。料金はもちろん東京電話よりさらに安い。
 東京電話、九州電話ともに、長距離系電話会社でおなじみのACRが存在する。東京電話のそれは「東京電話オートコネクト」と言う。
 東京電話には、東京電話加入者に限定された国際電話サービスもある。頭につける番号は0082。マイライン開始後は、国際だけ東京電話という登録が可能なはずである(未確認)。

 NTT一般加入電話の施設設置負担金は、約70000円と決して安くない。ただし、引っ越しして電話番号が変わっても施設負担金は買いなおさなくていいので、日本に移住してきた人や、単身赴任などで世帯が増える人、(古くはパソ通のホストを始める人も)など以外は、この料金の高さは苦にならないだろう。だから、通信費の下げ圧力に耐えて、今に至るまでこの値段でありつづけることができたとも言えるかもしれない。もっとも、「NTTは新規の回線を引くのに、加入者と同じぐらいの金額を負担している」という主張もある。ただ、施設設置負担金には「加入権」という別名があるように、担保としての役割もある。よって担保のないPHSは、たとえ利用を休止状態にしてもお金はかかる。INSネット64・ライト」は利用休止ができない。
 NTT分割に従い、加入権は、利用している地域(休止の場合は休止前に利用していた地域)により、NTT東日本、NTT西日本へ継承された。また、地域会社をまたぐ移動の場合でも、施設設置負担金や契約料を新たに取ることをしないよう取り決められた。
 新規加入料の高さはNTTも気になったのか、1997/7/7より、施設設置負担金0円の代わりに月々の基本料を640円割り増しするタイプのISDN、「INSネット64・ライト」を登場させた。ただ、一般加入電話に関しては、電話再販業者の反発が強く、まだ実現しない。「INSネット64」で施設設置負担金72000円分の元をとるには、計算すると9年以上も契約しなければならない。よって一般家庭等では今まで通り施設設置負担金を払って電話を引くことになろうが、学生や単身赴任者は「INSネット64・ライト」の方が断然お得になる。「加入権」という財産が残ると言っても、NTTは施設設置負担金の順次値下げを計画しており、あまり資産としては当てにならない。

 ここでは、プッシュ回線使用料を基本料金の中に含めている。オプションサービスとして扱うのが普通であろう。このように扱っている理由は、INSネットでは最初からプッシュ回線であり(ダイヤル回線にすることもできない)、一般加入とINSネットとを同列に比較するためには、同条件にする必要があると思ったからである。
 さらに、世の中のテレホンサービスの多くはダイヤル回線(パルス信号)に対応しておらず、事実上、プッシュ回線(トーン信号)の方が「標準」であるといえるだろう。事実、NTT自身もプッシュ回線(トーン信号)にのみしか対応してないテレホンサービスをいくつかやっている。プッシュ回線使用料というのは、名を変えた基本料金の値上げといっても過言ではないかもしれない。
 ナンバーディスプレイ基本料も、携帯電話では無料なので、同様に事実上の値上げといえるだろう。何らかの付加価値のあるサービスを作り、圧倒的な広告力、(人海戦術的)販売力で普及させ、オプション料金をとるというのは、加入者増がまず見込めないNTTの常套戦略である。人海戦術的営業手法は、余り気味のNTTの人材を、遊ばせることなく活用する一つの手でもある(投入した人件費に見あった営業成果が出てるかどうかはともかく)。
 (かならずしもNTTを非難している訳ではなく、この戦略は今一つ子どもだましな感がぬぐえないと主張しているだけである。なんとか収入源を確保したいNTTの気持ちは理解できる。すなおに基本料の値上げを考慮してもいいと思うのだが、値上げイコールとにかく悪、と即決する世論が、特に最近は強いので、まず不可能。余談だが、そういった世論こそ批判すべき対象だとは思う。また、見方を変えれば、一般加入が高いのではなく、INSネットや携帯の基本料が安すぎると考えこともできる。)

   通話明細内訳

 NTTのサービス。いつ、どこへ、どれだけかけたか記録する。記録方法は通話先電話番号すべて、下4桁消去、記録しないから選べる。記録にかかる費用は無料。NTTの営業所へ行けば、契約者本人・電話使用者・電話料金の支払い者に限って問い合わせられる。
 明細書を送付してもらうには作成料が必要。

 作成料
    9枚まで  100円
   50枚まで  240円
   100枚まで  710円
   800枚まで 1070円
 1997/8月分より「市外通話の通話明細内訳書」は無料になった。新電電が無料なのに対抗しての措置だが、市内を記載すると有料というのがNTTらしいといえばらしい。
 2001/5/1から、日本テレコム市内通話サービス開始にともない、日本テレコムでも市内通話明細書を発行できるようになった。しかし、市内分の発行は有料で、しかも料金は上記NTTのものと同一。これもまた横並びの新電電らしくもある。


1-2 割引サービス

○東京電話  割引制度無し。通話料金一本の「分かりやすさ」で勝負するとのこと。  ただし、マイラインプラス登録特典(下記)を利用すれば別。 ○九州電話  九州うれしい値プラン:月100円で、対九州への通話が16%引き(市内通話を除く) ○NTT東西 単回線:  エリアプラス  タイムプラス  テレホーダイ  i・アイプラン  ケンタくん 複回線:  ワリマックス  ワリビッグ ・エリアプラス  月200円で、隣接〜20km、および離島特例区域への通話が市内料金になる。 ・INSエリアプラス  月350円で、隣接〜20km、および離島特例区域への通話が市内料金になる。  ただし、離島特例区域へは、通話モードの通信のみ適用。 ・タイムプラス  月200円で、市内料金が平昼・夜間5分10円、深夜7分10円になる。 ・INSタイムプラス  月350円で、市内料金が平昼・夜間5分10円、深夜7分10円になる。 ・テレホーダイ:深夜の通話で有効  テレホーダイ1800      :月1800円で、2番号(市内)へ話し放題  テレホーダイ3600      :月3600円で、2番号(市内〜隣接・20km)へ話し放題  テレホーダイ・ビジネス4600 :月4600円で、2番号(市内)へ話し放題  テレホーダイ・ビジネス9200 :月9200円で、2番号(市内〜隣接・20km)へ話し放題  INSテレホーダイ・ホーム市内プラン                :月2400円で、2番号(市内)へ話し放題  INSテレホーダイ・ホーム隣接プラン                :月4800円で、2番号(市内〜隣接・20km)へ話し放題  INSテレホーダイ・ビジネス市内プラン                :月4600円で、2番号(市内)へ話し放題  INSテレホーダイ・ビジネス隣接プラン                :月9200円で、2番号(市内〜隣接・20km)へ話し放題 ・i・アイプラン1200:月1200円で、1番号(市内)へ3000円分通話可能  i・アイプラン3000:月3000円で、1番号(市内)へ7500円分通話可能 ・ケンタくん  月0円で、県内の3番号(通話料の多い順から自動で決まる)への通話が、市内 の場合は10%引き、県内市外の場合は30%引き。  ただし、月の通話料全体が1500円を越えないと適用されない。 ・ケンタくん5  月0円で、県内市外の5番号(通話料の多い順から自動で決まる)への通話が、30%引き  ただし、その5番号への通話料が500円を越えないと適用されない ・スーパーケンタくん  月200円で、県内市外通話を25%引き(県内通話料が1000円未満)、            または35%引き(県内通話料が1000円以上)  (INS)タイムプラスを申し込むと、1000円未満でも35%引き ・ワリマックス  月0円で、同一名義、複数の設置場所の回線群の、   通話料全体が 100万円以上 500万円未満: 市内10%引き、県内市外15%引き   通話料全体が 500万円以上1000万円未満: 市内12%引き、県内市外15%引き   通話料全体が1000万円以上      : 市内15%引き、県内市外15%引き  ただし、一回線あたり、登録料1000円 ・ワリビッグ  月0円で、同一名義、同一設置場所の回線群の、   通話料全体が 20万円以上100万円未満: 市内10%引き、県内市外15%引き   通話料全体が100万円以上      : 市内15%引き、県内市外15%引き  ただし、一回線あたり、登録料1000円 ☆NTT東西の割引サービス(分析編) ・エリアプラス、タイムプラス  「エリアプラス」「タイムプラス」は、登場時期から見て、まちがいなく「東京電話」 対抗策であった。「タイムプラス」に至っては関東+山梨県のみのサービスであった。地 域限定のサービスに非難は集中。というのも、昔からそのころに至るまで、NTTが分離分割 をかわしてきた言い訳の一つに、「NTTには全国一律のサービスを提供する義務がある、 分割するとそれが難しくなる」というものがあったからだ。NTTは「先行提供」であり 1998年中に全国拡大すると言い訳していたが、結局年もおしせまった1998/11、全国展開さ れた。関東+山梨県以外では1998/11/6より受付開始、1998/11/11以降の最初の料金計算 開始日からの適用となった。  思い起こせば、国鉄料金も悪法「国鉄再建法」で路線によって差が出来、現在では分割 民営化によって会社によって料金が変わっている。一方NTTの料金も、すでに分割前から 差が出来つつあったわけである。歴史はくり返すのかもしれない。 ・テレホーダイ  この形式の割引は、通話料が下がるとお得度が下がっていくという宿命を持つ。しか し、市内通話料金は劇的に下がることはないだろうが。  テレホーダイは、インターネット時代を背景に華々しく(?)1995.8にデビューした新 サービスである。INSテレホーダイ・ホームは1996.2.9登場。INSテレホーダイ・ビ ジネスは1996.9ごろ登場。  ただし、市内か隣接地区にネットのアクセスポイントがある人でないと、恩恵に 預れない。テレホーダイ開始時は、アクセスポイントはせいぜい50万都市にあるぐらい であったと思う(個人的実感)。INSのアクセスポイントともなればなおさら少ない。 今でこそだいぶ改善されてはいるが。インターネットなどの通信技術は地域格差を是正す る、という理想に対する疑問が大きくなりはじめたのも、この頃だったかも知れない。  また、比較的安いNTTの市内通話(しかも深夜)で1800円分使おう物なら、かなり長 時間使わないといけない。INSテレホーダイともなれば、元を取るのはさらに大変であ る(INS64の通話料はアナログ回線と変わらない)。INSは通信速度が速いからアナロ グ回線よりも早くダウンロードなどが終わるので、逆にINSテレホーダイの基本料をア ナログテレホーダイより安くてもいいぐらいだと思う。ちなみにINSテレホーダイ・ ホームがテレホーダイより高いのは、2回線同時に使うという想定かららしい。  その他にも、深夜限定というのも残念な点である。  などなどの理由で、登場時から批判の多いサービスではあった。しかし、日本のイン ターネットの普及への貢献は大きく評価できると思う。夜11時をこえるとネットが急に 混んだり、夜11時になると目を覚まし、朝8時になると寝るといったライフスタイルが 話題になったり、今にも通じるインターネット文化を形成してきたサービスでもある。  深夜限定や基本料金の高さといった点も、後のi・アイプランなどの新サービスの登場 や、新電電、プロバイダなどからも多彩なサービスが提供されており、改善が進んでい る。  なお、テレホーダイ3600・INSテレホーダイホーム隣接プラン・INSテレホーダイ ビジネス9200・INSテレホーダイビジネス隣接プランは、隣接地区2つというパターン 以外に、市内1つ隣接地区1つというパターンもできる。案外盲点になりやすいの で、念のため。  離島特例で隣接扱いとなる区間については、テレホーダイ3600は利用可。INSテレホ ーダイ隣接プランも利用可だが割引は通話モードのみなので、離島特例区間を指定すると ちょっと損である。  また、ホームはNTTから住宅用基本料を取られている回線、ビジネスは事務用基本料 を取られている回線で使用できる。基本料金の種類によって値段が変わる割引サービスは、 INSテレホーダイが初めてである。 ・i・アイプラン  1999.9.27よりサービス開始。当初はINSのみのサービスだったが、2000.10.16よりア ナログ(一般加入)でも使えるようになった。iはISDNの意味だと思ったら、インターネッ トのiだったらしい(笑)。 ・ケンタくん  2000/10/1サービス開始。通話料体系が県内、県外にわかれた時代、初の新サービス。 従来のNTTの割引サービスと比べて、段違いに条件がややこしい。  ケンタくん5、スーパーケンタくん: 2000/12/25受け付け開始、2001/1/11サービス開 始。

☆NTTの割引サービス(重畳編)

 割引サービスを複数利用することを、重畳(ちょうじょう)と呼ぶ。重畳可能な組合せにはある程度決まっており、割引範囲が重なる領域では、二重に割引されることはあまりなく、割引サービスの優先順位がある程度決められている。
 長らくNTTの割引サービスは、いずれか一つにしか申し込めなかった。
 2000.10.1、電話料金に県内、県外の区分ができ、ケンタくんが開始になってから、従来二つまでであったNTT東西の重畳が、三つまでになった。NTT Com も含めた重畳は、従来通り四つまでである。
 よって、最多に重畳するパターンは、
NTT東(西)から二つ + NTT Com から二つ
  または
NTT東(西)から三つ + NTT Com から一つ
 となる。
 サービス間の優先について、いくつか例をあげる。基本的に、テレホーダイが最優先、次にエリアプラス、タイムプラスがくる、と覚えておけば、理解しやすいように思う。
・エリアプラスとタイムプラス
 エリアプラスの説明として、「隣接〜20kmの料金が、市内の料金と同じになる」と
ある。しかし、エリアプラスとタイムプラス両方を申し込んでも、隣接〜20kmは、タイム
プラス料金(5分10円、7分10円)にならず、通常のエリアプラス料金の3分10円のまま
まである。

・エリアプラスまたはタイムプラスと、テレホーダイ
 深夜のテレホーダイ対象番号への通話は「テレホーダイ」が適用。

・エリアプラスまたはタイムプラスと、NTT Com のサービス(シャベリッチ、テレチョイス
 など
 エリアプラス、タイムプラスが適用。

1-3 NTT東西のその他サービス

☆マイライン

[2001/1/10申込開始、2001/5/1サービス開始]

 加入料金、工事料金:なし
           新規登録、登録内容の変更(4区分の一部変更も)に800円(税別)
           ただし次の場合は無料
           ・電話に新規申し込みの時
           ・2001/10/31までの登録、変更
 基本料金:なし
 新電電を使う時は、頭に00xxの4文字をダイヤルしなくてはならない不便は、新電電の営業上の困難である。それを解消するために、LCR(ACR)が開発されたが、それでも新電電はNTTに比べ余分なコストを負わされていることに変わりはなかった。
 そこで登場したのがマイライン、マイラインプラスである。NTTの地域交換機に、使用する電話会社をあらかじめ登録しておくことで、頭の00xxのダイヤルをしなくてもいいようにする方法である。これにより、NTTと新電電は完全に同じ土俵に立つこととなる。
 ちなみにこれは、アメリカなどではずいぶん前からなされていたことであり、ようやく日本でも今ごろ、という感は否めない。

 マイライン(マイラインプラス)では、通話を市内、県内市外、県外、国際の4つの区分に分ける。それぞれの区分ごとに、一つ会社を選ぶことができる。
 なお、2001/5/1までに登録しなかった場合は、市内、県内市外はNTT東西、県外はNTT Com に自動的に接続される(つまり今迄通り)。国際は自動的に特定の会社が登録されることはない(これも今迄通りの挙動にするため、と説明されている)。

     マイライン(マイラインプラス)に登録できる会社

 市内通話   県内市外通話    県外通話    国際通話
                 0033・NTT Com  0033・NTT Com
0036・NTT東   0036・NTT東
        0038・fusion   0038・fusion
0039・NTT西   0039・NTT西
        0061・C&W IDC   0061・C&W IDC  0061・C&W IDC
0077・KDDI   0077・KDDI    0077・KDDI   001 ・KDDI
0081・東京電話 0081・東京電話  0081・東京電話 0082・東京電話
0086・九州電話 0086・九州電話  0086・九州電話
0088・JT    0088・JT     0088・JT    0041・JT
                         0031・テレグローブ
                         0071・ワールドコム・ジャパン
                         0080・ドイツテレコム
                         009123・グローバルワン

*JT: 日本テレコム、fusion: フージョン・コミュニケーションズ


  マイラインでの電話のかけ方(市外局番が3桁の場合)

 登録している電話会社を使う
 マイライン、マイラインプラスとも
市内: xxx-xxxx          … 市外局番は要らない(別に付けてもよいが)
市外: 0xx-xxx-xxxx
国際: 010-[国番号]-xxx...    … 国際電話識別番号010

 登録していない電話会社を使う
 マイライン
市内・市外: 00xx-0xx-xxx-xxxx  … 市内でも市外局番必須
国際   : 00xx-010-[国番号]-xxx...
 マイラインプラス
市内・市外: 122-00xx-0xx-xxx-xxxx  … マイラインプラス解除番号122
国際   : 122-00xx-010-[国番号]-xxx...

 発信者番号通知とマイラインプラスとのかねあい
市外: 18x-122-00xx-0xx-xxx-xxxx  … 発信者通知制御18xの後にマイライン解除122
 国際電話のかけ方は、2001/5/1から、上記のように、国際通話であることを示す 010 をダイヤルしなくてはならなくなる。2003/4までは経過措置として、従来かけかた の00xx-[国番号]-xxx... でもかけられる。
 マイラインとマイラインプラスの違いは、上記のように、登録されていない電話会社を使いたい時、解除番号 122 が必要かどうかだけである(それ以外の違いはない)。マイラインプラスは、ACRを外さなくても、マイラインを有効にするためのサービスである。ACRがついていると、ACRの動作原理上、マイライン登録している会社よりも、ACRのほうが有効になってしまう。
 ちなみに、マイラインで、マイラインプラス解除番号をダイヤルしてしまうと(122-00xx-...)「122は不要」とのアナウンスが流れるそうだ。

 マイラインプラス登録特典

 各社とも、自社をマイラインプラスに登録してもらいたくて、割引サービスをさらに安くしたり、プレゼント攻勢にでたりしている。ユーザがACRを使っている可能性を危惧してか、マイラインではなくマイラインプラスなのがミソ。マイライン(プラスではないノーマルのやつ)には登録特典をつけてはいけないということはないと思われるのだが。。
 詳しくは、yudaiさんのページ http://homepage2.nifty.com/yudai_s/tel/tawagoto/waribiki_tawa.html#myline+ を参照。

 マイラインのデメリット

・一会社につき、一区分に一つしか番号を割り当てられない
 例えばKDDIは、001、0070、0077と、実に三つの市外電話サービスを持っている。しかし、マイラインでは一会社一つしか登録できないため、マイラインには0077を投入している。特徴的でウリも多い市外電話サービスである001が使えなかったのは痛い。合併によりサービスを増やしてきたKDDIには裏目に出てしまった。

・区分が大雑把
 区分は県内市外、県外、などとなっているが、実際の料金はそういう区分ではなく、20km以上、100kmまでといった、距離帯によって変わるのである。マイラインではそのあたりの細かいところに対処できない。

・変更料800円
 マイラインはNTT東西のサービスなので、この文書では、地域の章のNTTその他のサービスのところで扱っている。電話会社各社がマイラインの宣伝をしているので、意外に思われるかも知れない。
 マイラインの登録データは、NTT東西の交換機に記憶されている(はず)。この変更料800円は誰の懐にいくかというと、NTTである(はず)。
 登録変更手続きに費用が発生し、それを何らかの形で回収しなければいけない事情は理解できる。しかし、この費用がたとえ一円だったとしても、新電電の営業上のボトルネックとなる。昔存在した悪名高き「新電電開通料」の再来に近いものがある。
 マイライン登録のシェアに応じて、新電電からNTT東西に支払がなされる、といった形にはできないのだろうか。現に、NTT公衆網への接続料(アクセスチャージ)は、そういう手続きで決裁がなされている。

・電話に新規加入時に、マイライン登録がうながされない(らしい)
 これまたアメリカの例で、しかも伝聞で申し訳ないが、新たに電話を引いた時に、どの電話会社にするか、書かせるらしい。日本では、おそらく勝手にNTT系が登録され、マイラインがある、とは特に知らせられないだろう。あるいは、NTTを強く勧められた上で、マイラインプラスの登録をさせられるだろう。営業機会という観点で、公平ではない状況が予想される。(もっとも、アメリカなどでも公平ではないかも知れないが)

 これらのデメリットは、現時点での機械処理の限界、その他諸般の事情なのかもしれないが、NTTの新電電対抗策であるとも捉えることができる。これらのデメリットが解消される時は来るのか、来るとしたらいつなのか、が注目される。

 FAQ

 たくさんあってキリがないので、マイラインのページのFAQにのっていないもののみを記載します。

 フリーダイヤル
Q. 例えば、マイラインプラスにKDDIを登録すると、0088-82 などの他新電電の00XXで始まるフリーダイヤルにはかけられなくなりそうな気がするのですが?
A. 大丈夫。かけられます。
参考: http://www.japan-telecom.co.jp/myline/html/qa.html

Q. 逆に、マイラインに登録していれば、新電電のフリーダイヤル 00xx-xxx... に、頭の 00xx なしでかけられそうな気がしますが?
A. そういうこともない(と思います)。というのも、市内局番とフリーダイヤル番号とがダブってるところで、問題がおきそうだからです。

○公衆電話

              公衆電話       IC公衆電話
      設置場所   いろんなところ  普通の公衆電話よりは少ない
         色    緑・灰・他   地球をイメージした独特な色
     硬貨の使用     ○          ×
   テレホンカード     磁気         IC
クレジット通話カード    すべて○       すべて○
 NTTの公衆電話の場合、緑がアナログ公衆電話、灰色がディジタル公衆電話である。
 1999/3から、NTTはIC公衆電話を導入。磁気テレホンカードは使えず、代わりに後述のICテレホンカードが使える。

  現金・テレホンカードでの料金
(10円で話せる秒数)NTT
        (内税5%)
       平昼 休夕 深夜
市内      60   60   80
隣接 〜 20km 42.5 42.5  55
 20km〜 30km 28.5 28.5 38
 30km〜 40km 23  23  28
 40km〜 60km 17  17  21
 60km〜 80km 12.5 16.5 18
 80km〜100km 11  16.5 18
100km〜160km  9  15  16.5
160km〜170km  8.5 12.5 14
170km〜     8.5 12.5 14
  (電話料金はすべて外税だが、これのみ内税。)
 ディジタル公衆電話のディジタルモードでは、離島特例は適用されない。

 クレジットコール・フリーダイヤルでの料金は、両サービスがNTTコミュニケーショ
ンズの管轄になったため、「長距離系電話会社の巻」で扱う。

 新幹線の車内にある公衆電話は無線ながらNTTの管轄であった。NTT分離後は地域
会社ではなくNTTコミュニケーションズの管轄になったため、「長距離系電話会社の巻」
で扱う。


○テレホンカード

     NTT       NTT
名称    磁気        IC
       テレホンカード   テレホンカード
販売額→  500→ 500
利用金額 1000→1050     1000→1050
               2000→2100
     3000→3200廃止   3000→3200
     5000→5400廃止
有効期限 なし        あり
国際通話 不可        可
残度記録 カード(磁気)   記録センターで集中管理
利用法  公衆電話に挿入   IC公衆電話に挿入
料金体系 NTT公衆電話料金 NTT公衆電話料金

 NTTのテレホンカードは偽造に次ぐ偽造で、高額カードが廃止されてしまった。
NTTのICテレホンカードはテレホンカードとしては世界初の非接触式ICカード。
1999年3月24日に販売開始された。
  ICテレホンカードには、IDナンバーのみが入っており、残度は記録されていない。
従って、たとえカードの記録が偽造されても、残度を自由に上げられるということは
ない。
 NTTテレホンカードはINSネットでは通話モードのみ利用できる。


○100番通話・コレクトコール

 100番通話とはいわゆるオペレーター通話のことである。電話番号「100」にかけ
て、コミュニケータに、「xx-xxxx番にお願いします。」と言ってつないでもらう、前近
代的な通話方式である。話が終わると電話料金を知らせてくれるのが利点だが、他人に電
話を借りてもわざわざ料金を払うことなどほとんどない現在、利用する人はほとんどいな
い。一方、コレクトコールとは料金先方払いの電話である。100番通話料金と取扱料
90円がかかる。最近始まったNTT「自動コレクトコール」は通常通話料金+取扱料
90円ですむ。ただしトーン信号の出る電話機でしか使えない。人が出ないのでいたずら
電話の温床となりつつある。
 100番通話・コレクトコールとも、割高な、通称「100番通話料金」がかかる。こ
れは3分間料金が決まっており、3分を越えると1分ごとにその1/3が加算される。
 深夜も夜間料金が適用され、土・日・祝日の割引はない。
 INSネットでは通話モードのみ利用できる。

   100番通話料金(3分間)

        昼間 夜間
市内      30  30
隣接 〜 20km   30  30
 20km〜 30km   60  60
 30km〜 40km   60  60
 40km〜 60km   90  90
 60km〜 80km  120  90
 80km〜100km  150  90
100km〜120km  180 105
120km〜160km  240 120
160km〜240km  285 150
240km〜320km  360 210
320km〜     405 240

 最遠距離が320kmというのも、NTTのかつての料金体系を偲ばせる時代の遺物である。

 なお、新幹線の車内にかけるのも100番通話扱いとなる。

列車公衆電話への料金(3分間の料金)
      平昼 休夕 深夜
160kmまで   225  225  225
160km以上   360  225  225


○NTT発信者番号通知

 携帯電話・PHS等では当然のごとく無料でやっているサービスが固定電話のNTTで
は有料のサービスになる。以下の3サービスがあるがいずれも発信者の番号が分かるとい
うものである。なお、サービス開始は横浜・名古屋・福岡で1997.10から、その他の地域
で1998.2からである。

ナンバー・ディスプレイ:工事費2000円、月額使用料(住宅用) 400円
      INS64:工事費2000円、月額使用料(住宅用) 600円
ナンバー・ディスプレイ:工事費2000円、月額使用料(事務用)1200円
      INS64:工事費2000円、月額使用料(事務用)1800円
 かけてきた人の電話番号を電話機などのディスプレイに表示するというもの。対応の電
話機またはアダプターの購入が別途必要。このタイプだと出る前に相手の電話番号が分か
る。

[1999.11.1より]
キャッチホン・ディスプレイ:工事費2000円、月額使用料(住宅用/事務用共)100円
        INS64:通信中着信通知サービスで既に実施済
 ナンバー・ディスプレイを契約し、さらに、キャッチホン、キャッチホンII、マジック
ボックス、ボイスワープII、話中時転送サービスのいずれかを契約しないと、契約できな
い。話し中に着信があった場合に電話番号を表示する。それを見て、通話を切替えるかど
うか決められる。対応機器が必要。

ナンバー・リクエスト:工事費2000円、月額使用料(住宅用)200円
     INS64:工事費2000円、月額使用料(住宅用)200円
ナンバー・リクエスト:工事費2000円、月額使用料(事務用)400円
     INS64:工事費2000円、月額使用料(事務用)400円
 「通知しない」でかけてきた相手に、「こちらは○○○−△△△−□□□□です。恐れ
入りますが、あなたの電話番号を通知しておかけ直しください。」と音声で答える。呼出
音は鳴らない。かけた側には通話料がかかる。工事費はナンバー・ディスプレイと同時工
事の場合は1000円。

ナンバー・アナウンス:工事費2000円、月額使用料 300円
     INS64:サービス無し
 「136」をダイヤルすると最後にかかってきた人の電話番号を音声で知らせる。さらに
「3」をダイヤルすると呼び返し発信できる。現在のままの電話機で使えるがかかってき
た時点では分からない。

 電話をかける側では、非通知方法を「通話ごと非通知」か「回線ごと非通知」か選べる。
「通話ごと非通知」の場合、通知したくない番号の前に184(イヤヨ)を付けてダイヤル
すると非通知になる。「回線ごと非通知」の場合、前に186(イーヤロ)を付けてダイヤ
ルすると通知になる。これはナンバー・リクエストの相手にかけるために存在すると思わ
れる。
 このサービスを見るとものすごい不合理であることに気付く。貧乏な一般庶民はよほど
いたずら電話に困っているのでも無い限りナンバー・ディスプレイやナンバー・アナウン
スを申し込むとは思えない。申し込むのはデータベースを作ろうとしている企業が主であ
ろう。よって庶民は番号を通知してもらう恩恵にあずかれない。庶民は企業などに電話番
号がもれて名簿屋に売られるのを防ぐため、よほど知り合いにかけるので無い限り、番号
非通知を使うことになる。が、一方でナンバー・リクエストが存在するため、それでは繋
がらないこともある。そして繋がってもいないのに通話料は取られる。今まで繋がらない
のに通話料を請求されるということがあっただろうか?

 なお、新電電経由の発信者番号通知は、「通話ごと非通知」の場合、通知したくない番
号の前に18400XX(イヤヨ)を付けてダイヤルすると非通知になる。「回線ごと非通知」
の場合、前に18600XX(イーヤロ)を付けてダイヤルすると通知になる。それぞれ00XX184、
00XX186でないことに注意!!

 なお、発信者番号通知が可能なのは、一般加入・デジタル携帯・独自網アステルの間だ
けであったが、現在は依存網PHSとの間も通知可能になった。公衆電話・アナログ携帯
との発信者番号通知は出来ない。


○加入者番号案内

 「○○さんの電話番号は何番ですか?」と問い合わせるものである。とは言っても、○
○さんの部分で使えるのは契約者だけであり、子供の名前などでは使えないし、ある程度
住所も言わなくてはならない。
 オペレーターによる番号案内と、自動検索がある。自動検索は「ANGEL LINE」
と「あんないジョーズ」がある。
 相次ぐ値上げで、使いたくない値段になってしまった。
 INSネットでは通話モードでのみ利用できる。

[1998.5.1より]
手動案内料
一般加入
平昼・休夕 月1案内目   60円/案内
      月2案内目以上 90円/案内
深夜            150円/案内
公衆電話          100円/案内
列車公衆電話        30円/案内

自動案内料
平昼・休夕 3分10円+15円/検索
深夜    4分10円+15円/検索



○NTTダイヤルQ2(ダイヤルキュー)

 電話で情報を流してその回収をNTTが代行するというサービスである。INSネット
でも利用可。
 始めは情報料3分60円くらいまでしかなかったため、真面目な番組が多かったが、3
分300円などといういわゆる高額Q2の登場により、怪しい情報が増えた。考えてみれ
ば、Q2の番号を買ってきて、回線を引くだけで金が儲かるのだからその筋の使われ方を
して当然である。このころは、課金の方法が、「合成秒数」などという不透明な方法を使
い、請求書には情報料も含めた額で「通話料」と表示されるなど、はっきり言って最悪で
あった。
 現在はツーショットダイヤル系が追放され、課金法も正確に通話料+情報料となり、請
求書にもその旨記載されるようになったので、まだましになった。
 なお、本来0990−3を使うべきポルノ番組が、実際には0990−5などを利用し
ているケースが多々あった。しかし、風俗営業法の改正を受けてか、1999年3〜4月ごろに
かけて、NTTはそういったケースを排除しにかかったそうだ。結果、0990−5に存
在した「隠れアダルト番組」は無くなったと、NTTは言っている。

 情報料は従量制と定額制があり、いくつかのランクに分かれている。従量制にするか定
額制にするかやどのランクの情報料を課金するかは情報提供者が決める。また、高額Q2
は電話番号の頭が0990−5になるので、ある程度かける前からわかる。

   Q2情報料

            従量制(3分)      定額制(一通話)

ニュース・経済・株式他 10,20,30,60,90,120,150  50,100,150
0990−6      の7ランク        の3ランク

高額Q2        180,200,240,260,300    200,250,300
0990−5      の5ランク        の3ランク

 アダルト番組(0990−3)は0990−6料金のものと0990−5料金のものと
が混在している。なお、Q2情報料も、料金表示は3分でされているが、実際はX秒10円
の課金になる。X秒は、180秒をランクの額で割って10をかければ簡単に出る。


○キャッチホン・キャッチホンII

 通話中に第三者から着信があると割り込み音で知らせる。フッキング操作で第三者と話
せる。ただ、パソコン通信をしているときにキャッチホンが入ると切れてしまうので、パ
ソコン通信者向けにキャッチホンIIもある。これは出られない場合(パソコン通信中)に
はキャッチホンIIセンタが応答し、第三者のメッセージを録音する。メッセージがあるこ
とは通話後に知らせる。

 キャッチホン :月額基本料 300円。工事費不要
 キャッチホンII:月額基本料 500円。工事費不要

 セット割引・トリプルセット割引として、他のサービスとセットで利用すると、月額基
本料が割り引かれる。詳しくは後述。


○ボイスワープ・ボイスワープセレクト

 かかってきた電話をあらかじめ指定した電話番号に転送したり(自動転送機能)、いっ
たん応答した電話を別の電話番号に転送したり(応答後転送)、別の電話から転送先の開
始・停止・転送(リモートコントロール)ができる。
 さらにボイスワープセレクトでは、あらかじめ指定した電話番号からかかってきた電話
だけを転送したり(セレクト機能)できる。

住宅用
 ボイスワープ    :月額基本料500円。工事費不要
 ボイスワープセレクト:月額基本料650円。工事費不要
事務用
 ボイスワープ    :月額基本料800円。工事費不要
 ボイスワープセレクト:月額基本料950円。工事費不要

 INSボイスワープ・INSボイスワープセレクトも存在する。基本料は同額。工事費
1000円。
 セット割引・トリプルセット割引として、他のサービスとセットで利用すると、月額基
本料が割り引かれる。詳しくは後述。


○セット割引・トリプルセット割引

 上記2サービスを重複して申し込んだ場合の月額基本料の割引。以下の通り。

セット割引    :
 キャッチホンとプッシュ回線・ボイスワープ・ボイスワープセレクト・なりわけサービ
ス・クレジット通話サービスのどれかと併せて利用すると、キャッチホンの月額基本料が
50円引き。
 キャッチホンIIとプッシュ回線・ボイスワープ・ボイスワープセレクト・なりわけサー
ビス・クレジット通話サービスのどれかと併せて利用すると、キャッチホンIIの月額基本
料が50円引き。

住宅用
 ボイスワープセレクトトリプルセットI:
  ボイスワープセレクト+キャッチホン +プッシュ回線で月額基本料1100円
 ボイスワープセレクトトリプルセットII:
  ボイスワープセレクト+キャッチホンII+プッシュ回線で月額基本料1250円
 ボイスワープトリプルセットI:
  ボイスワープ    +キャッチホン +プッシュ回線で月額基本料 950円
 ボイスワープトリプルセットII:
  ボイスワープ    +キャッチホンII+プッシュ回線で月額基本料1100円
事務用
 ボイスワープセレクトトリプルセットI:
  ボイスワープセレクト+キャッチホン +プッシュ回線で月額基本料1400円
 ボイスワープセレクトトリプルセットII:
  ボイスワープセレクト+キャッチホンII+プッシュ回線で月額基本料1550円
 ボイスワープトリプルセットI:
  ボイスワープ    +キャッチホン +プッシュ回線で月額基本料1250円
 ボイスワープトリプルセットII:
  ボイスワープ    +キャッチホンII+プッシュ回線で月額基本料1400円


○なりわけサービス

 あらかじめかかってきた電話番号(10番号)からかかってきた場合、通常と異なる呼び
出し音で呼び出す。キャッチホンと併用すると、キャッチホンの割り込み音も変わる。
 特定の相手からの電話を待っている方には、こちらの方がナンバーディスプレイより安
くすむ上、番号非通知でも対応できる。

  工事費2000円、月額基本料 300円

 INSなりわけサービスも存在する。工事費は1000円、基本料は同額。


○迷惑電話おことわりサービス

 迷惑電話を受けた直後に操作を行うと、以降、同じ電話番号からかかってきた場合、
「こちらはXX−XXXX−XXXXです。この電話はお受けできません。ご了承くださ
い。」と自動的にメッセージで応答する。かけた側には通常の電話料金がかかるのはナン
バーリクエスト同様。
 拒否登録個数の違いにより、2種類ある。

迷惑電話おことわりサービス6:工事費2000円、月額基本料 600円。
迷惑電話おことわりサービス30:工事費2000円、月額基本料 700円。

 しかし本気で迷惑電話をかけるやつは、30カ所以上の公衆電話から迷惑電話をかけるら
しい。

1-4 各社プロフィール

 電力系、CATV系の電話会社のことを、長距離系新電電と同じ経緯から、地域系新電電と呼ぶ。NTT東西は、電話会社としては新しい方だが、新電電とは呼ばない。

営業地域:
 NTT東:北海道・東北・関東の各地方と、新潟県・山梨県・長野県
 NTT西:富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県と、
      関西・中国・四国・九州・沖縄の各地方
  [画像]
 TTNet(東京電話):東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・
           静岡東部(富士川より東)
 QTNet(九州電話):九州地方(沖縄は含まない)
  [画像]
 TTNetは東京電力系の会社なので、営業区域は東京電力と同じである。また、アステル東京(現 東京電話アステル)のバックボーン回線はTTNetから提供されているので、TTNetの営業区域とアステル東京の営業区域は一致していた(今は同じ会社なので当然一致しているが)。

NTT系 :
 東日本電信電話<NTT東>
 西日本電信電話<NTT西>

電力系 :
 北海道総合通信網 <HOTNet>      (北海道電力系)
 東北インテリジェント通信 <TOHKnet>  (東北電力系)
 東京通信ネットワーク <TTNet>     (東京電力系)
 北陸通信ネットワーク <HTNet>     (北陸電力系)
 中部テレコミュニケーション <CTC> (中部電力系)
 大阪メディアポート <OMP>     (関西電力系)
 中国通信ネットワーク <CTNet>     (中国電力系)
 四国情報通信ネットワーク <STNet>   (四国電力系)
 九州通信ネットワーク <QTNet>     (九州電力系)
 沖縄通信ネットワーク <OTNet>     (沖縄電力系)

CATV系 :
 CATV自体は、日本全国400社以上ある。http://www.cty.co.jp/catv/type-1.html
 電話サービスをやっているのはごく一部である。


NTT系 :

  NTTは民営化されたが、現在でも日本政府が株式の65。6%を保有する特殊法人
である。電気通信事業者が電気通信事業法に規制されるのはどの会社も同じとして、
NTTの場合はNTT法にまで縛られている。「役員の専任や解任の許可」を郵政省に握
られ「定款の認可」「事業計画の認可」「郵政大臣による監督および命令」など、ばしば
し政府から干渉を受ける。
 いまだにNTTと郵政省の確執は根強いらしい。1949年に逓信省が分割し、郵政省
と電気通信事業省にされた。1952年、電気通信事業省が廃止され同省が分割される形
で日本電信電話公社と国際電信電話会社(KDD)が設立された。両者ともに郵政省の監
督下におかれた。そのころ、「できのいい奴等は電電公社に移り、できの悪い奴等は郵政
省に残った」なんて陰口もあったらしい。どうも、一つの組織を分割するととんでもなく
仲の悪いものになるみたいだ。
 以来、電気通信政策は実質的に電電公社によって進められてきた。そのため、郵政省は
“電電公社霞ヶ関出張所”なんて呼ばれたこともあったみたい。で、1982年に臨時行
政調査会の基本答申を受けて、1985年に民営化。資本金780、000、000、
000円、総資産10、725、600、000、000円、従業員310、800人、
年間売上高4、050、000、000、000円、経常利益38、400、000、
000円という、わけがわからないくらい0のならぶ会社の誕生であった。 そこへ出て
きたのが郵政省。「三流官庁」の汚名を返上し、「政策官庁」へと転身したい郵政省は
NTTから覇権を奪取するべく頑張るのであった。

1982.7   臨時行政調査会(臨調)第三次答申:
      電電公社の民営化と分離分割、長距離通信分野への競争導入、等

1984.6-11 長距離系新電電3社(テレウェイ、DDI、日本テレコム)設立
1984.12  電気通信事業法、日本電信電話株式会社法が成立

1985.4   NTTが一社体制で発足
      労組の全電通の反対で分離分割論議は5年後に先送り

1990 1985の先送りを受けて電気通信審議会答申:NTTの分離、等
   NTT株の値下がりを懸念して政府が分離分割論議を5年後に先送り

1996 1990の先送りを受けて電気通信審議会答申:
    NTT分離分割、KDD国内通信参入許可、参入規制緩和、
    接続ルールの制定、等
   与党、NTT分離分割審議を1年後に先送り

1999.7.1 NTTが、NTT(持ち株会社)、NTT東日本、NTT西日本、NTT
     コミュニケーションズに分離・分割

 1995〜6年の分離分割論議に関しては、郵政省の根回しと、AT&Tの分割の結果
がよかったことをうけて、NTT株が値上がり。証券アナリスト達もNTTの分離分割は
NTT株の値上がりにつながると言った。
 しかし、数千億円単位の社債発行の引き受け・従業員持ち株会からの株式売買注文など
証券会社にとってはNTTは上得意であり、ドコモの株式上場前で証券会社は主幹事獲得
に血眼になっていたため、NTTはこれを材料に証券会社に圧力をかけた。
 そのため、NTTに不利なレポートは皆無であったが分離分割による株価上昇の評価を
ひっくり返すまでにはいたらなかった。なぜなら、郵政省はもっと恐いからである。郵貯・
簡保の莫大な運用資金をバックにしてにらみをきかせたのである。
 こうなっては貝にでもなるしかない。

 「NTT分離分割」と一口に言うが、長距離部門をNTTから切り放すことを「分離」、
地域部門を東・西などに分けることを「分割」と言うらしい。


電力系新電電 :

 電力会社は発電量の管理などに使うため、発電所間などに光ファイバー網を持っている。
その回線を利用し、サービスを提供しているのが電力系新電電である。
 従来は、「新電電とNTTの接続は県で1カ所」であったのだが、規制緩和により、市
内交換機との接続も解放された。そこで、長距離系新電電よりもきめ細かなネットワーク
を持っている「電力系新電電」が一般加入電話にも参入したわけである。

 まず、首都圏の電力系新電電であるTTNetが、NTTの市レベルの交換機間を独自
網でつなぎ、そこから各家庭まではNTT回線、という方法の電話事業「東京電話」を始
めた(1998.1.7から)。そしてまた、九州の電力系新電電であるQTNetも、これと同
様のサービス「九州電話」を開始した(1999.4.1/0時より)。この方法だと、NTTに払
うアクセスチャージ(接続料金)は長距離系の半分以下になるという。

 郵政省が、電気通信業における地域・長距離・国際などの垣根を取り払った。そこで、
電力系の新電電9社は、相互に接続し、「NTT無しでも全国をカバーできる電話会社」
を目指していると言われている。しかし、遅々として進んでいないようだ。

 中継電話サービスを取り扱っているところだけ紹介する。

TTNet :

  1986年3月7日 TTNet設立
           資本金40億円
           株主…東京電力50%、三井物産25%、三菱商事25%
     11月1日 専用線サービス開始
  1988年5月1日 電話サービス開始(TTNet網同士の発着信のみ)
  1994年9月12日 アステル東京を設立
  1998年1月7日 「東京電話」サービスを開始
  1999年4月1日 アステル東京と合併

  現在の資本金…300億円
  主な株主  …東京電力33.4%、三井物産25%、三菱商事25%、日産自動車10%
  売上高   …611億円(96年度)
  従業員数  …1,348人(96年度)

 TTNet自身は数多くのCATV会社に出資している。今後、各家庭まで引かれている
CATV回線を使った、「NTTを使わない」電話網を形成するつもりなのかもしれな
い。

QTNet :

  1987年7月1日 調査会社設立
  1989年3月1日 定款変更により事業会社移行
  1989年11月1日 専用サービス開始
  1999年4月1日 「九州電話」、福岡県でサービス開始
  1999年6月1日 「九州電話」、長崎・大分・鹿児島県でサービス開始
  1999年9月1日 「九州電話」、佐賀・熊本・宮崎県でサービス開始

  現在の資本金…72億円
  主な株主  …九州電力・三井物産・三菱商事・住友商事・西日本銀行
         福岡銀行・福岡シティ銀行

CATV系:

 各家庭にひかれているCATV回線を利用し、電話サービスを提供する。CATV系の強みは、電力系と同じく、各家庭にまで直接回線がひかれているため、NTTへ接続料を払う必要がない点にある。ただ電力とは違い、CATVは全世帯が加入しているわけではないが。
 規制緩和などにより、同じCATV内の通話が可能なだけの「閉じた」ネットワーク内で電話サービスを提供しているだけであった時代は終わり、NTTの加入者線と同じサービスが受けられる時代になってきている。
 例えば「深夜のCATV内の通話料は基本料に含む」という、タイタスコミュニケーションズ「ただでん」など、CATV系の特徴を生かした料金サービスが考えられる。しかし、当のタイタスは、J-COMグループへ参加すると同時に「ただでん」をやめてしまった。電話事業を始めるCATV業者もなかなか増えない。時期早尚なのか、需要がないのか、CATV電話は前途多難な時代が続いている。


1-5 問い合わせ先

 頭にKPとついてものは携帯・PHSからかけられるフリーダイヤル。XXとついてるもの は不可。 NTT東/西: Tel 116(土日祝含む 9:00-17:00、年末年始は休み)         Tel 0120-494933 INSネット専用         KP 0120-104260 ANGEL LINE専用         KP 0120-104662 あんないジョーズ専用         KP 0120-019000 お客様相談センタ(NTTへのご意見・ご要望)         KP 0120-145472 ICテレホンカードお問い合わせセンター          (以上、平日 9:00-17:00、土日祝は休み 人)         Tel/Fax 0120-000-116(年中無休 24時間 テープ)         東 http://www.ntt-east.co.jp/         西 http://www.ntt-west.co.jp/ HOTNet:Tel 011-232-8420     〒060-0031 札幌市中央区北1条東2-5-3     http://www.hotnet.co.jp/ TOHKnet:Tel 022-224-2190      〒980-0804 仙台市青葉区大町2丁目15-28藤崎大町ビル     http://www.tohknet.co.jp/ TTNet :Tel 03-5476-0091、Fax 03-5476-4710     〒108-0023 東京都港区芝浦4-9-25 芝浦スクエアビル     http://www.ttnet.co.jp/     「東京電話」に関する問い合わせ、資料請求は、0120-719019 まで。 CTC:Tel 052-204-2761     〒460-0008 名古屋市中区栄2-2-5 電気文化会館内     http://www.ctc.co.jp/ HTNet :Tel 076-209-5500、Fax 076-209-5509     〒920-0993 金沢市下本多町5-26     http://www.htnet.co.jp/ OMP:カスタマサポートセンター Tel 0120-509-450     Tel 06-7501-0600、Fax 06-7501-0602     〒530-6691 大阪市北区中之島6-2-27 中之島センタービル     http://www.omp.co.jp/ CTNet :Tel 082-233-8533     〒730-0855 広島市中区小網町6-12 平和大道り 電気ビル     http://www.ctnet.co.jp/ STNet :Tel 0878-44-2255     〒761-0101 高松市春日町1735-3 STNet本店ビル     http://www.stnet.co.jp/ QTNet :Tel 092-781-7575     〒810-0001 福岡市中央区天神1-12-20 日之出東京海上ビル5F     http://www.qtnet.co.jp/    「九州電話」に関する問い合わせは、0120-750086まで。 OTNet :Tel 098-866-7727     〒900-0034 那覇市東町4-1     http://www.otnet.co.jp/

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